158人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
ゲームスタート 森にて
自分はあの時、泣いてなかったろうか。
急に楽しみだったはずゲームは、そっくりそのまま俺たちの現実に成り代わり、今ではあんなにつまらなかった現実が凄く遠くに感じる。
それにだ、今はとんでもなくパニックに陥ってる。
胃が痛い、頭がぼやける、じっとしてられない、手が震える。
今までは、あんなに冷静だったのに、何がさっきと違う?何が、何が....そんか...
「隣に、カイが、いないから...か...」
声に出した、その行動が今の現実を痛感させる。
本当に居なくなってしまったのか、と。
声は震えてとても情けない、涙は出ていないがそれもいつ溢れても不思議手はない。
「情けねぇよな、No.1って言われてんのにさ」
そこで頭に浮かんだのは肩書き。
数万のプレイヤーの頂点にして最強、そんな言われ方をしていたが今では怖くて震えるただのガキ。
いきなり帰れなくなり、他のプレイヤーよりも酷い状況に投げ出された。
俺は、何時もカイに支えられて...
ガサッ
「!?」
目の前の草むらが揺れ、何かが飛び出してくる。
それは、くすんだ青の毛皮をもったオオカミ。
そのオオカミの図上には緑のバーと、???の文字。
最初のコメントを投稿しよう!