ゲームスタート 森にて

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ゲームスタート 森にて

自分はあの時、泣いてなかったろうか。 急に楽しみだったはずゲームは、そっくりそのまま俺たちの現実に成り代わり、今ではあんなにつまらなかった現実が凄く遠くに感じる。 それにだ、今はとんでもなくパニックに陥ってる。 胃が痛い、頭がぼやける、じっとしてられない、手が震える。 今までは、あんなに冷静だったのに、何がさっきと違う?何が、何が....そんか... 「隣に、カイが、いないから...か...」 声に出した、その行動が今の現実を痛感させる。 本当に居なくなってしまったのか、と。 声は震えてとても情けない、涙は出ていないがそれもいつ溢れても不思議手はない。 「情けねぇよな、No.1って言われてんのにさ」 そこで頭に浮かんだのは肩書き。 数万のプレイヤーの頂点にして最強、そんな言われ方をしていたが今では怖くて震えるただのガキ。 いきなり帰れなくなり、他のプレイヤーよりも酷い状況に投げ出された。 俺は、何時もカイに支えられて... ガサッ 「!?」 目の前の草むらが揺れ、何かが飛び出してくる。 それは、くすんだ青の毛皮をもったオオカミ。 そのオオカミの図上には緑のバーと、???の文字。
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