【1】ミナミ 私の場合 1

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そもそもあの火事が無ければ…。 悔やんでも悔やみ切れない。 どうしてあんな事をしてしまったのか…。 あれから私と鈴の歯車は狂い、噛み合う事はない。 もうあの純粋だった子供の頃には戻れない。 待っているのは非情な現実だけ。 私は鈴の姉で、鈴は私の弟。 「…それにしても綺麗だね。 そのドレスごと滅茶苦茶にしたい。」 「…っ!」 多分鈴は何の感情もなく口にしている。 だけど私は心臓が弾け飛びそうだった。 ドキドキと不安定で激しく鼓動する。 「な、何を言ってるの…?」 動揺があからさまに顔に出る。 蒸気する頬。 「まさかとは思うけど…、俺を意識してんの?」 今日は司と二人きりの結婚式。 だからこのフィッティングルームには誰も来ない。 「まさか…、 私たちは姉弟なのよ…。」 意識している。 私は鈴を猛烈に意識している。 .
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