【1】ミナミ 私の場合 1

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「アハッ、姉さんのその顔懐かしい…。」 鈴は笑いながら、まるで獣のようにペロリと舌舐めずりをする。 嫌な予感がした。 私はジリジリと壁際に追い詰められて行く。 「どうして…? どうして今日がわかったの?」 私たちはもう何年も会ってなかった。 だから私は安心してたんだ。 これで司と心置き無く結婚できると。 「わかるも何も…、俺に隠せると思った?」 「……。」 鈴は少しずつ私に歩み寄る。 その度私は後ずさった。 今日の事は司と二人で内密に進めていた。 だから二人だけで結婚式を挙げる事になったんだ。 それを…、 「じゃあ何しに来たの?」 鈴は口角を上げる。 「見届けようと思って…。」 「…何を?」 私が幸せになる様を? それとも…、 「姉さんが地獄に堕ちる様を…。」 「いやぁっ!!」 私は鈴に腕を掴まれていた。 キリキリと指が食い込み締め付ける。 .
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