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「アハッ、姉さんのその顔懐かしい…。」
鈴は笑いながら、まるで獣のようにペロリと舌舐めずりをする。
嫌な予感がした。
私はジリジリと壁際に追い詰められて行く。
「どうして…?
どうして今日がわかったの?」
私たちはもう何年も会ってなかった。
だから私は安心してたんだ。
これで司と心置き無く結婚できると。
「わかるも何も…、俺に隠せると思った?」
「……。」
鈴は少しずつ私に歩み寄る。
その度私は後ずさった。
今日の事は司と二人で内密に進めていた。
だから二人だけで結婚式を挙げる事になったんだ。
それを…、
「じゃあ何しに来たの?」
鈴は口角を上げる。
「見届けようと思って…。」
「…何を?」
私が幸せになる様を?
それとも…、
「姉さんが地獄に堕ちる様を…。」
「いやぁっ!!」
私は鈴に腕を掴まれていた。
キリキリと指が食い込み締め付ける。
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