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――――「…っ!?あっく…んっ!?」
「あ?俺達「恋人」なんだろ?
こんくらいして当然だろーが」
低い声が耳元にゾクリと響いた矢先、
凛緒(りお)の首元にチクッと
小さな痛みが走った。
「~~~…っ!?
なっなな何して…ンッ!?
あ!今っ、かっ噛んだの!?
や、やだやだ!食べないでくださいっ…!あっく」
「凛緒うるせー、ちょっと黙れ」
日々聞き慣れていたはずの
その声ですら初めて耳にするものに感じ、
目の前にいる幼馴染が
全く別の知らない男だと錯覚してしまう。
何が起こっているのか
何をされているのかも
全く理解できていない頭で
ただ本能的に「食べられる」
という現実離れした恐怖だけが
能に危険信号を送っている。
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