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「うーんと……」
フォークを置くと
遠い昔を思い出すように和樹は目を細めた。
「どうやってっていうか……僕の場合はその、拒否権なんかなかったって言うか」
相手が相手だ。
分かるだろ?
その顔に書いてある。
「逃げられなかったわけね」
「ああ、仕留められたさ。あそこに向かって何度も弓を射る様に……」
「……もういいよっ!」
僕をからかって――。
「ごめんごめん」
満足そうに笑う和樹を膨れ面で睨みつけた。
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