プロローグ

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夕方の帰り道。 いつも帰る道から見える公園。桜の木が並び、綺麗な桜が咲いていた。私がいつも登下校の時に見る風景。田んぼと住宅街しかない田舎道だけど、私のお勧めスポットだ。 あーあ。この桜を見るのも、今年で最後だと思うと悲しいくなるな。   今日から高校最後の年。だから、来年からはこの道は歩かない。今年の桜は去年と比べて、尚綺麗に見える。 「そうだ。この桜の木の写真を撮ろう。」 鞄の中からスマートフォンを取りだし、満開に咲く桜の木々に向けるが、画面に映る桜は小さかった。 「うーん。少し遠すぎるかも。」 ズームボタンを押すが、今度は桜の花びらがボヤける。せっかく撮るんだから、綺麗に撮りたいな。近くまで行こう。 横断歩道を歩き、公園の中に入ると桜の木の前で先客がいた。 私が通う高校とは違う制服を着た男の子。手に持っている、黒い一眼レフカメラを覗いて桜を撮っている。
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