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口の中も頭の中も、ゼロさんの甘味でいっぱいにされてしまった頃、やっと満足したのか、唇が離れていった。
けれど私のうなじは捕えられたまま。
鉄格子の間で額同士をくっつけた格好で、動けない。
「ゼロさんは……碧さんのクローンじゃなかったんだね」
眠らされる前の記憶がはっきりと蘇ってきた私は、ぼそりと呟いた。
「全部聞いたのか、碧に」
「うん……」
「馬鹿だよな、碧は。
あいつは恵まれたオリジナルのくせに、俺に劣ってると思い込んでやがる」
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