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黒髪のウィッグと黒いカラーコンタクトで、生来の色彩を隠し、さらに照明の下ではフードを目深に被り、屋外では夜の闇に紛れていた。
巧みになりすましていたとはいえ、すぐに気付けなかった私は、妻として失格かもしれない。
なぜそうまでして、碧さんは私を逃がそうとしているのか。
少し考えるだけで、簡単に分かる。
(碧さんは、私を試してるんだ……)
仮にリスクを覚悟の上で、ゼロさんを連れて逃げようとしたら、当人にそんなつもりはなくとも、二人の愛が本物だと証明されるも同然だ。
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