純粋

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私より、普通の男の子より、遥かに背の高い、先輩。 特別顔が整っているわけでもない、特別話が上手いわけではない。 けれども、その雰囲気に、一つだけ歳が上なだけなのに、醸し出しているその大人より大人のような香りに、私は魅せられていました。 「海未ちゃん久しぶり」 「わあ、暁良先輩……!」 同じ大学じゃないというのがすごく悔しくて。でも県内の色々な大学のボランティアサークルが集まる日に会えると、いつも小さな私を見つけて声を掛けてくれていました。どの先輩に声を掛けられるよりも、嬉しかったんです。 「元気にしてたかい?」 「もちろんですよ!土屋茶人さんの新作も買ってルンルンです」 「え!いいな、買ったんだ『GREEN』!」 「まだ途中までしか読んでないんですけど、やっぱり面白いです!特に主人公の友達の……」 「ストップストップ!ネタバレストップ!」 「……あ、すみません!」 好きな作家さんが一緒で、他にも音楽とか映画とか本とか、先輩とは趣味がとっても似ていて、よくそんな話で盛り上がっていました。私はそれが楽しくて。憧れだけども、こうして親しみを感じさせてくれるような話をたくさんしてくれて、そのバランスが取れているのが、私を魅せた先輩の姿なのかもしれません。
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