癌の巨大化による急変

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7月23日、朝5時半頃。 父は静かに、穏やかに、旅立ちました。 とても静かに穏やかに眠っていた父のベッドの頭元からの警告音が止まらない。でも穏やかに眠り続けている。昨日の昼間みたいに苦しがる様子も無い。だが鼻チューブから血が逆流しだして母はナースコール。 そして義理の兄から私に電話が。処置をしてるけど間に合わない。すぐ来るように! 私は長男を起こし、次男、長女、三男を順番に抱き抱え3往復して車に乗せて、出発しようとする間際、心肺停止の電話。もうダメだった。 病院に着き父を見に行った。父はすでに鼻のチューブを抜かれていたし、頭元のモニターの電源も切られていた。 父の血の色は引いていた。肌色ではなく、白っぽいクリーム色だった。 手はひんやりしていて死後硬直が始まりだして強張りががあった。足はほんのり温もりが残っていた。 亡くなったんだ。 父は警告音が鳴っても変わらず穏やかに眠っていたらしい。そしてあれよあれよと血圧も心拍も下がり心臓停止。苦痛も無く静かに穏やかに亡くなっているのは救いだ。 前日から明日誰々が来るからね!や、あとどのぐらいしたら誰々が来るからね!などと母は父に言っていて頷く父。呼ばれた親戚が集まるまで頑張ったのかもしれない。 数日前から父の首は膨れていた。寝そべっているので肉が弛んでそう見えるだけかわからないでいたが、右側だけ微妙に膨れていた。鎖骨からやや下にある癌に侵されたリンパは気道を取り巻き首まで増殖してきたのだろう。癌で痩せ細ったのに顔より首の方が太かった。良く言えば首だけ痩せなかった感じだ。 癌発覚から2年2ヶ月。父は最期まで本当によく頑張った。頑張り抜いた。 これにて父の場合の闘病の書き綴りはもう今日で終わりとなります。 読んで下さった皆様、ありがとうございました。 コメントも、勉強になったり励みになったり、嬉しく拝読して返事を書いたりしました。ありがとうございました。
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