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7月14日、検査入院の日です。
私と母が付き添い病院へ。
9時半頃に着き、呼ばれたのは10時半前でした。入院支援室に行くように言われ、その後エレベーターに乗り入院病棟に行きました。5階です。
ナースステーションに、持たされたファイルを出し病室へ案内してもらいました。窓側でしたが、景色は空以外は全て大学病院の建物でした。大小様々、不揃いで統一感も無い建物がごちゃごちゃと。低い建物の屋上には雑草が生えているのも見えました。
でも空が見えるだけいいのかもしれない。
看護師さんに病棟内のトイレやお風呂、洗濯機や乾燥機、食堂やテレビカードが売っている場所などを案内してもらい、説明を受けて病室に戻る。
荷物を棚や床頭台にしまい、先程買ったテレビカードを入れ、テレビカードと連動している冷蔵庫があったので売店まで行きお茶などを買い冷蔵庫へ。
12時半、昼食が配膳されました。
5分がゆと刻み食です。
用意していた箸は必要ありませんでした。すぐに箸を下げ、スプーンを渡しました。
文句も言わず食べる父。「これは何だろう………かぼちゃだ。これは………煮物だな。なんだこれ………わからん。」もはや当てながら食べるゲームのようです。「これじゃ詰まりようがないわな」と半笑いで食べ進めていました。
そんな姿を見ながら『ほんとに病人なんだな』『前みたいに形あるものがいいに決まってるよね』と胸を痛めた私でした。
『必ず良くなる』『手術したら良くなる』『すぐ元気になる』と両親とも思っているので、食道癌は再発しやすく転移しやすいし、術後の予後も良くはない。5年生存率も低い。ステージ2でもザッと見て50%、ステージ3だと30%も無い。…なんて言えない。希望を砕くような事言えない。
『もしかしたら』という自分の小さな希望をも砕け散ってしまいそうで口には出せない。
やるせない。
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