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3月13日。
母と見舞いに。
父の部屋はナースステーションからガラス越しに見える部屋だった。
父は眠っていた。肺が全力で空気を取り入れようとしているかのような動きだ。長男の喘息発作中に眠っている時に似ていた。肺の動きで全身が動きベッドまでをも振動させそうな。これは苦しい。
顔はむくんでいた。
気管切開は閉じられテープが貼ってあった。
薬の名前をパッと調べたら鎮静剤だった。
面会時間が決められて、面会時間以外だった為看護婦さんに「短時間で済ませて下さい」と言われた母は少し顔を見て言われるがまま帰ろうとした。1度下り、売店の隣の椅子に座りコーヒーを飲みながら母に「今日起こすという話はどうなったか?今後どうするのか?看護婦さんに聞いて、出来るなら医師に話を聞いてみるべきではないか?」と説得しまたエレベーターに乗り病棟に。
ナースステーション前にいた看護婦さんに聞いてみるとパソコンの電子カルテを見ながら「今徐々に薬を弱めて目が覚めるようにしているところみたいですね。0で目が覚めるとしたら今4なので、目が覚める事は無いですね!昨日の夜も弱めてみたんですけど辛そうにしていたのでまた強めてます。先生がどこにいるか聞いてみるので待ってて下さいね」と。0で目が覚めるとして今4。MAXが5なのか10なのかはわからないが、なんとなく状況が掴めてきた!昨晩あまり良くなかったから今日も寝たままって事か。
医師は思いの外早く来て、椅子に座り「ふぅー」っと一息付いたらもう呼ばれた。
話は昨日一昨日と同じで今看護婦さんに聞いた通り。チューブが入ったから良かったけど、入らなかったら死亡していたと思います。本人に報告する義務があるので鎮静剤を弱くしていき目が覚めるようにします。辛いようならまた眠ってもらうし、チューブに慣れたり思いの外大丈夫そうだったら起きた状態にします。がんはこれからも進行するしこれからもまた色々と問題が起きてくると考えています。おなかの方のがんならおなかの方に問題が出てくる。腹水だったり内臓の方を圧迫したり。でも食道がんの場合は肺だったり首回りの方に出やすい。そのような説明を受けた。
父はきっと急変した時に苦しみの中で『ああこれ死ぬわ!いかんかったなぁ』と思いながら眠ったのかなと思った。目が覚めたら覚めたで『あら生きてた!』と思うのかなと不謹慎な想像をしていた。
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