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真っ先に異変に気付いたのは、鼻だった。
獣臭さとは違う空気が、浅くなっていた眠りから、私を呼び起こした。
「臭い……何?」
孤独が過ぎて、すっかり板についてしまった独り言と共に、起き上がる。
私と同じく異変を感じ取ったのだろう。
動物達の動き回る音も、どことなく忙しない。
「本当、何だろう?」
クンクンと嗅いでみても、匂いが薄過ぎて、何だか分からない。
当然、動物達が答えてくれるはずもない。
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