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「もう外は桜が満開だよ。
まるで……長い長い悪夢を見てたみたいだね、僕ら」
花びらをつまんでぼんやり眺めながら、碧さんがぼそりとこぼす。
尋ねてもいいだろうか。
私が一番気になっている事を。
じっと様子をうかがっていると、問いかける前に碧さんが答えをくれた。
「ウノとアンの遺体は、なぜか現場から発見できなかった。
ゼロは……君を庇って、そのまま死んだよ。
公にはできないから、遺骨は温室に埋葬してある」
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