Give back to ash #2

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距離を詰められても、私達はもう一歩も後退できない。 少しでも下がろうものならば、辛うじて防げている熱波に取り込まれてしまうだろう。 まさに袋のネズミだ。 碧さんは2メートルほど手前でピタリと足を止め、花が咲き誇るような完璧な笑顔を、私に向けてきた。 「もう一度だけ忠告するよ。 花純、ゼロからアタッシュケースを受け取って、僕とおいで」 言う通りにしたら、きっと碧さんは邪魔者のゼロさんを突き飛ばし、炎の餌食にする。 逆らえば、ゼロさんが碧さんに危害を加えるか、最悪の場合、その手に掛ける。
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