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ある朝、起きてみると彼女の顔が赤い斑点だらけだった。腕も胸も背中も、とにかく全身が赤い斑点だらけだった。
日頃、弱みを見せない彼女もさすがに病院に連れていってくれと懇願した。
病院は、実家のある町にした。ここは以前一度来たことがある比較的大きめなところで、救急もある総合病院である。
帽子を深く被っても顔は見える。それを目ざとく見つけた待合室のおばさんは、
「まだ若いのに可哀相に・・・・」
そう言って僕らに哀しげな視線を向けた。
僕らはそれには答えずに黙っと冷たいビニールの長椅子に腰を下ろした。
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