第2章 新たな生活

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 その頃、期間従業員ではあるが、大企業に努めていた。    結納は滞りなく済んだが、それから暫らくして事件は起こった。  普段、僕は通勤用の古い軽自動車を使い、自分の自慢の車はプライベートだけに使用していた。所謂、遊び専用車である。   ある日の朝、僕が夜勤から帰宅すると、駐車場にあるべき遊び専用車が無かった。     今日は休日である彼女が何処かに出掛けたのか。それにしては時間が早すぎる。   そんな事を思いながら部屋に入ると居るはずの彼女の姿が無かった。   狭い部屋だ。捜し回らなくてもそれはすぐに分かる。   靴を乱雑に脱ぎ捨て部屋に入ると、小さな赤いテーブルの上に置き手紙があった。
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