第2章 新たな生活

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何故、分かったのだろうか。十分に注意したはずなのに。   僕は、散々謝ったあと、彼女に一緒に帰ろうと提案したが、これは簡単に拒絶された。   僕は、さっき来た山道をオンボロ車で引き返したが、彼女がアパートに帰ってきたのは翌日の夜であった。 「お前、どうして人の車で帰るんだよ。車じゃなかったら迎えには行かなかったのに」  やっぱり僕は言ってしまった。   というか、言おうと構えていたのである。  「だって、帰る足が無いから」  彼女はそれ以上は言わなかったし、僕も改めて揉めることはしなかった。
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