第3章 新、新たな生活

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退院すると、彼女と赤ん坊は荷物を纏めて彼女の実家に向かった。   最初はその意味が分からなかったが、どうやら一ヶ月間は労働を控えて安静にしておかなければならないらしい。   そういう事で僕は当分の間、一人暮らしとなってしまったのである。  さて、一人暮らしとなって食事はどうするか。そんな心配は無用であった。   同じ住宅に姉夫婦も居るため、そこで世話になることが、自然にというか当たり前のように決まってしまったからである。  何故か僕は、人の親切を当たり前だと思ってしまう節があるらしく、それらに対して恩を感じる気持ちが極めて低い。
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