8 海と人と

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由衣が驚いて鬼武隊長を振り返ると、隊長が通訳さんに拳銃を向けていた。 だが、通訳さんは少しも動じず、穏やかに鬼武に尋ねる。 「何のつもりですか?隊長?」 「俺がシールズとSASに所属していた事をなぜ知っていた? 特殊部隊出身としか情報公開されていないはずだ。 それに桟橋からずっと着けていたな? ……通訳の安月給でよくこのクルーズ船が買えたものだ」 「妻のへそくりです」 「頭の禿げたカミさんか?」 「“禿げ鷹”のお金ではありませんよ」 「内務省“ルー・ガルー”か?」 「……そうです。私は内務省 国家警察総局の職員です」
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