9 ノブレス・オブリージュ

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渋るジョゼフを遮るように、由衣は鬼武に食い下がる。 「でも“ルー・ガルー”1人のために大勢の職員や一般市民も巻き添えになる! 悪くすれば、このままベネルスは内戦に突入します!!」 「その内戦を回避するためにも殿下は……!」 「失敗しても最悪、私1人の犠牲で済みます! 隊長はみんなを連れてこの船で脱出して下さい!」 「そんな事できるか!! 俺は殿下に貴女を守れと命じられているんだ!!」 「あ、あの~お取り込み中ですが……」 この時、バーカウンターの陰から“通訳さん”が控え目に口を挟んだ。
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