第一章 すべてのはじまり

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相手は案の定チョキをだし、俺はグーを出した。 「俺の勝ちだぞ。」 デブ1がニヤつくが俺はこう言ってやった。 「いや、引き分けだ!!」 まわりの空気が騒然として固まる。そりゃそうさ。 「何でだよ!!」 と2が言う。 「そうだぞ!!」 と細が言う。 「確かに俺はルール違反をして負けた。」 「なら…。」 デブ1が口をはさもうとしたがすぐさまこう言った。 「だが!!俺はジャンケン自体には勝った。」 俺がそう言うと文句を言ってきた。 「ルールに準じて行うのが対戦だろ!!」 とデブ1がいう。  俺はその言葉に、そうなのかよ!!と言うめでフィールを睨む。フィールはごめんといった顔をしている。は~。だが…。 「そうだな。」 「だったら…。」 「だがな!!」 俺はすかさず続ける。 「最初にじゃんけんのルールに俺がルールを加えると言ったぞ。」 「「!!!」」 総勢が驚く。今のルールの隙をついてやった。 「俺はルール違反で負けたが、お前らはジャンケン自体に負けた。これで、一勝一敗だ!!!」 言ってやったぜ。俺はニヤリと笑った。オタッキー達は「っひ!!」となっている。 「フィール。引き分けだろ。」 「はいそうですね。」 俺が聞くのを待ってましたとイワンばかりにすぐさま答えてきた。 「この勝負引き分けにより、両者とも1勝になります。」 フィールの掛け声とともに俺のスマホが“ピロリ"と音を鳴らした。 “引き分け”とかかれたメッセージが届いていた。何でもありなのか?これは…。 「それにしてもあの方法ならば勝てたのに何で勝とうとしなかったんですか?」 フィールが俺に聞いてきた。 「それは…。」 俺は少し詰まる。 「もしかしてですが、5分間の間にスマホを見ていたことと何か関係しているのでは。」 「へ??」 完全に図星だ。俺はフィールのあまりにも当たりすぎている言い方に驚いた。 「あいつらは今、二連敗中だったんだよ。だから…。」 俺がその先を言おうとするとフィールが先に言った。俺が言いたいこととほぼ同じであった。 「だから、俺は引き分けで両方勝つことで自分もオタっキー共の両者ともに生き残れる方法を選んだんだ。ってとこですかね?」 フィールはニコッと笑った。それより俺の真似をするな!! 「優しいですね。高坂様は。さすがあの人が…。」 最後の方が聞こえなかった。でも確かに何かを言った。
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