23.未来への階段

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「……瑞希、俺と結婚して欲しい」 それは、シンプルでストレートな、 宮下さんの言葉。 宮下さんは、小さな箱をそっと開ける。 中には予想通り、石のついたシルバーのリングがキラキラと輝いていた。 まったく予想もしてなかった事に、驚きすぎて言葉も出ない。 「俺、遠距離って絶対に無理だと思ってた。 だけどダメになるどころか、どんどん瑞希が大切な存在になっていく。 今はまだずっと側には居れないけど、 それでも確かなところで、 ちゃんと繋がっていたいと思うんだ」 一言一言をしっかり噛み締めるように言う。 非日常の空間で、 今までの見たことないくらい真剣な瞳の宮下さん。 高鳴った胸の音が私の中でこだましているように感じる。 洒落た言葉なんて思い付かないけど、 「はい。 よろしくお願いします」 息を吐き出すように言って、私はしっかりうなずいた。
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