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「……瑞希、俺と結婚して欲しい」
それは、シンプルでストレートな、
宮下さんの言葉。
宮下さんは、小さな箱をそっと開ける。
中には予想通り、石のついたシルバーのリングがキラキラと輝いていた。
まったく予想もしてなかった事に、驚きすぎて言葉も出ない。
「俺、遠距離って絶対に無理だと思ってた。
だけどダメになるどころか、どんどん瑞希が大切な存在になっていく。
今はまだずっと側には居れないけど、
それでも確かなところで、
ちゃんと繋がっていたいと思うんだ」
一言一言をしっかり噛み締めるように言う。
非日常の空間で、
今までの見たことないくらい真剣な瞳の宮下さん。
高鳴った胸の音が私の中でこだましているように感じる。
洒落た言葉なんて思い付かないけど、
「はい。
よろしくお願いします」
息を吐き出すように言って、私はしっかりうなずいた。
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