23.未来への階段

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「だって夜は二人きりになれそうもないしなぁ……」 宮下さんは、シートベルトを締めようとしていた私の腕を掴んで、すっと引く。 私の体は引き寄せられ、 宮下さんの腕の中に閉じ込められた。 宮下さんの体温を体いっぱいで感じる。 温かい……。 「瑞希、あったかい」 「将弥さんもです」 胸に埋まっていた顔を上げて、宮下さんを見上げると、穏やかな表情が目の前いっぱいに広がる。 この瞬間がくるたび、何度も何度も 宮下さんが好きだってことを思い知らされる。 「……ホテルに行きたいのは本当だけど、 その前に、ちょっと行きたいところあるんだよね」 「え。どこですか?」 「うん。ちょっとね」 そういって宮下さんは、少し目を細める。
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