23.未来への階段

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「そんなに寂しいんだ?」 黙り込んでしまった私の顔を ちょうど赤信号で車をとめた、宮下さんが覗き込む。 「うん……寂しいです。 本当にお世話になりっぱなしで……」 「ふーん」 宮下さんだって、たくさんお世話になっているはずなのに。 ちょっと不機嫌な表情で、気のない返事をする。 「……でもやっぱりムカツクな」 「え?」 ムカツクの意味がわからなくて、宮下さんの顔を見ると、 私の頬に宮下さんの手が触れたと思ったら、 甘くもない食らいつくような唇が、いきなり私の唇を攫って離れていく。 一体何にムカついているのか。 今のキスは、何なのか分からず首をかしげる。 ちょっと思い当たることと言えば……。 「もしかして、ヤキモチ……?」 私が呟くと、 「別に……」 ぶすっとしたまま、宮下さんは車を発進させた。
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