23.未来への階段

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「あぁそうだ。さっき言おうと思って、うっかりタイミングを逃したんだけど……」 さっきっていつだろうと思ったとたん、 耳を疑うような言葉が聞こえてきた。 「俺、春には、東京戻れそうだから」 「えっ、本当ですか!?」 「蔵本くんの異動にマジでショックを受けてる瑞希を見てたら、言い出せなかったんだけど……。 一応、こっちの上司と堂本の了承を得たし。 すぐは無理だけど、春までにはこっちも引き継いでいく予定。 両親も別にそれでいいって言うし。 ようやくなんとか目処が立った」 冗談にしては具体的すぎるから、 本当のことなんだよね。 驚きすぎて、宮下さんの嬉しそうな顔を凝視したまま固まってしまった。 「ま、堂本の部下になるから、 ちょっと気に入らない気もするけど、それよりも戻れることの方が大事だしね」
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