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「……それ、一番初めに言いません?
プロポーズは受けたけど、このまま遠距離結婚になるのか、
私が会社を辞めてこっちにくることになるのかって、
ちょっと考えちゃったじゃないですか。
プロポーズの前に言ってくれないと」
「言わなくても受けたじゃん」
「だってすごく嬉しくて……。
距離なんて関係なく、私も繋がっていたかったから……」
「瑞希の愛が確かめられて、俺はうれしい」
私の驚きぶりを嬉しそうに見ている宮下さん。
言うタイミングを逃したって言ってるけど、
言おうと思えばいくらでも言えたはずなのに。
「確かめなくたって、好きだって言ってるじゃないですか。
どうしようもないくらい。
ちょっともう……嬉しすぎる……」
堪えることもできないくらい溢れ出した涙を拭き取るように、
宮下さんは私を胸の中に閉じ込める。
「はやく一緒に暮らしたいな」
耳元で小さく囁くから、私は胸の中でうんうんと何度も頷いた。
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