第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
宮沢さんはいつも完璧だ 小暮も少しは見習え そのセリフは聞き飽きたなんてもんじゃ無い 最近では上司どころか同期の奴らまで、言うようになりやがった ほら、噂をすればやって来た オフィスの狹い出入り口から丁度入ってくるところ 先輩も後輩も同期のやつまで(俺以外の)慕っている 超完璧人間 宮沢文子さまのご登場だ 自分の席でパソコンに向かいながら気付かれないよう、宮沢が通り過ぎるのを見送る俺 見習う側 小暮直人 課長に仕事を提出した俺 課長の二言目は大体決まっている 宮沢を見習えだ あんまり毎日言われるから悔しくなってお門違いな宮沢に聞いてみた 「なんで宮沢ってそんなに完璧なんだ」 「私は小暮くんを見習ってるだけよ」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加