いちまさん

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■■■■■■■■■■■■■ 時間 22分42秒 達成 黒山羊『 カズ 様、どうやら無事出会えたようですね。"月雫(るな)さん"も大変満足しておられました。それではまた次回の"お遊び"の場を追って連絡いたしますので、お楽しみに。』 ■■■■■■■■■■■■■ なんなんだこのアプリは。 いちまさん……削除したはずのアプリが勝手に起動した。それにこの黒山羊は僕の行動を理解しているかのように話を進めてくる。 亮ちゃんは一体なんでこんなアプリを。 どうして、僕と真尋に……!!!? ――真尋!? おじさんが出張中だからあいつは今家に一人だ。 僕はスマホのホームボタンを押し黒山羊が映る画面を下げ、電話をタップしそのまま真尋に電話した。 駄目だ、電源が入っていないのかコールすらせず掛からない。 真尋の家の中ならどこにいても圏内のはず、さらに自宅で充電がなくなるなんてことも考えにくい。 一旦切り、今度は真尋の自宅固定電話に掛け、僕はフラワーロード商店街を駅に向かって走り出した。 何度もコールはするが出ない。 角屋が見えてきた。そこを曲がれば真尋の家まですぐだ。 僕は電話を切った。時間を確認すると2時25分。 制限時間は60分だったはずだ。 残り35分? いや、何を考えているんだ僕は。そんなことあの奇妙なアプリを認めているようなもんじゃないか。 でも、このどうしようもな不安が拭えない。 真尋、無事でいてくれ。 祈るような気持ちで僕は走った。
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