僕のダメな父さん。

第1章

母さんは、父さんのことを昔、キザでカッコいいと自慢の人だと言った。

以前は、真面目にコツコツと働いていた父さん。

でも、今は家で黙って、お酒を飲んだり、テレビとにらめっこしている印象しかない。

その癖、流行には疎く、家族サービスなんてもっての他。

僕は、旅行に連れていってもらった記憶もない。

服装もこだわらない人で、母さんの左手薬指にあるマリッジリングも色褪せているように見える。

あ……将来は絶対、父さんみたいになっちゃダメだと僕は思ってる。