ばけもののこ

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② 2017年4月より、アタシと母はことでん円座駅から歩いて3分のところにあります住宅地で暮らしている新しい義父の家で暮らすことになりました。 新しい家は、2階建ての2・5世帯住宅でありました。 新しい義父は、義兄の結婚が反古になってしまった事件を機にそれまで勤めていました大手都市銀行の支店をやめまして川部町にありますクリーニング工場に転職をしました。 義兄は、志度(さぬき市)にありますタダノ(鉄鋼会社)の工場へ電車を乗り継いで通勤をしていました。 毎日休まずに電車を乗り継いで工場へ向かう義兄は、毎朝しかめた表情で家を出ていることから、家族が会話をする様子が全くありませんでした。 アタシは、太田上町にあります中学校に転校をしまして中学生生活を送っていました。 アタシは、円座町内のマンスリーアパートで暮らしているもうひとりの義兄が運転するラパン(軽自動車)に乗せていただきまして通学をしていました。 時は、母が再婚をしてから2ヶ月後の5月の第2水曜日の朝のことでありました。 家のダイニングテーブルには、アタシと母と義父と義兄が座りまして、朝ごはんを食べていたのでありました。 テーブルの上には、白ごはんとみそしるとアジの開きときんぴらごぼうとひじきとたくあんが置かれていました。 義兄は、ひとくちごはんを食べただけでごちそうさまと言いまして席を立った後にリュックを持ちまして家を出ようとしていたのでありました。
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