第1章

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 なんかね。  その子はお店の指示で数人と新宿にあるとあるホテルに向かったんだって。  なんか馬主さんたちの会合みたいのがあるらしく、その相席みたいな感じ。  でねその席上でとある馬主さんが 「お姉ちゃん。この通りに馬券買ってごらん」  って言われて、馬の番号の書かれた紙をもらったんだって。  当時はネットなんてなかった時代だったし携帯やスマホもなかった時代だったからね。  だからそこまでできたんだろーなって推測してる。  で、その子は競馬にまったく興味がなく、いろいろと話を聞いたらしいんだけど、その子はちんぷんかんぷんだったんだって。  そりゃそうだ、その子は仕事で相席しているだけだからね。  だけどその子の話はオイラたちにはよく理解できたんだよね。  競馬バカのオイラたちには。    なんかねG1とかで勝つような馬たちほど大人しくて素直なんだって。  対照的に威張り腐って、態度がでかく、ひねくれている馬ほど勝てなかったりするんだって。  だから厩舎とかでそういう態度のでかい馬がいると大人しい馬たちは威圧されて怖がったりするんだって。  なんか人間界とダブるよね。    そういえば昔、故大川慶次郎さんが言ってたな「的中させるには馬の性格を知った方がいい」って。    そうなんだよね。  だからG1とるような馬と、未勝利を行ったり来たりしている馬たちとは一緒に走らないんだよね。  もし一緒に走ったらどうなるの?  お面白い結果になるかもしれないね。  人間界でもそうじゃん。    ヤンキーと優等生が一緒に同じ教室で勉強なんてしないじゃん。  上流階級と下流階級が一緒にならないのと同じ感じかなぁ~。    つづく
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