最終話

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男は、両手で頭を抱え込み 現実を受け容れられずにいた。 薄暗い部屋で、机のうえに 照らされている黄色いライトが 目のまえで意地悪く微笑む 刑事の口から垣間みえる 歯を、キラリと光らせた。 「惜しかったな。 おまえ自身が一番わかっていると思うが 時効成立まで、 あと十分だったのだよ」 男が警官に取り囲まれたとき 時効成立まで、あと十分… 六時五十分だったのだ。
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