監禁

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「あーあ、キレちまったぜ。どーするよ。これで情報を得る術が無くなった」 「放っておけば、向こうから勝手にコンタクトを取ってくるさ。じゃないと俺たちを捕まえた意味がない」 ふうん、と高広は返事して、 「んじゃさー、元秘密工作員さんともあろうお方が、どうしてむざむざ捕まったわけ」 龍一は気に入らなさそうに目線をくれると、 「そういう、自称天才さまは、どうして捕まったんだ」 逆に問い返した。 高広は、 「おりゃー、タバコ買いに出たところを、タコ殴りよ。野蛮人はイヤだね」 痣になっているだろう、首の後ろを示す。 「そういうお宅は、その辺の野蛮人が束になっても敵わねーご仁だろーがよ」 鬼の霍乱か、とニヒヒと笑う。 龍一は、 「美百合からの伝言だと、女が近づいてきて、腹にスタンガンを食らった」 「よくスタンガンだってわかったな」 食らった衝撃が強烈なスタンガンなら、自分が何をされたか気づく前に意識を失ってしまう。 龍一はふんと鼻を鳴らした。 「鼻の奥がきな臭い。ずいぶんな出力だ」 「はーん、俺なら死んでんな」 体の内側が焦げるほどの電撃を食らったということだろう。 それでいて今、平気な顔をして立っているのだから、やはり普通の人間じゃない。
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