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まるで子どものような口ゲンカをしながら、金髪が男の懐をまさぐった。
その細くしなやかな指がくすぐったい。
頬を赤らめた男を目ざとく見つけて、茶髪は呆れたのように言った。
「やっぱりそっちじゃないか」
「俺様の魅力には、誰も敵わねーだけだっつーの」
金髪はどこか自慢気に言い放って、
「チッ、これだけ。鍵はねーか」
男の懐からナイフを見つけ出した。
「このナイフじゃ――」
「ここで切れるのは人体だけってんだろ」
金髪は茶髪の言葉を引き継いだ。
「だが――」
茶髪は機嫌悪そうに金髪の言葉を引き取って、
「こういう使い方も出来る」
ナイフの刃を出し、拘束している男の喉元に突きつけた。
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