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その日も会社に戻った頃には規定の退社時刻をとうに過ぎていた。
今日も遅くなりそうだ。佐藤さんは買ってきたお茶を飲んで一息ついた。
その時だ。ふいに佐藤さんの携帯電話が鳴った。
画面を見ると、見覚えのない電話番号が表示されていた。
それは別に珍しいことではない。
顧客の電話番号はすべて携帯電話に登録してはいるが、時折違う番号からかかってくることもある。
この時間にかかってくるということは、まず間違いなく苦情の類だろう。
薬が足りなかったのだろうか。それとも間違えた?いずれにしても面倒なことでなければいいが・・・。
そう考えながら通話ボタンをタップする。
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