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「ねぇ、お母さん」
「お母さんって呼ぶな、チビ。私にはラビって名前がある」
「じゃぁ、ラビ」
「呼び捨てすんな! あとから来たクセに」
「じゃぁ、ラビちゃま」
「とりあえず許す」
「あたちって、ここにいてもいいのかな」
「ご主人様が許してるんだから、いいんじゃないの? そもそもあんたご主人様に拾われてきたじゃない」
「うん。優しいご主人様でよかった」
「その点は否定しないわ」
言って、ラビは長い耳を垂れたまま、鼻をピクピクさせる。
「でも、あんたなんであたしと一緒にいるわけ?」
「だって、ラビちゃまあったかいし、優しいだもん」
「その点でも否定しないわ。わたし心広いから」
「うん。ありがとう」
「でも、あんたも変わってるわよ。わざわざこんな狭い所に入ってくるなんて」
「ラビちゃま、あたちの名前はルーだよ」
「ハイハイ、ルーね…ってあんた何してるの?」
「え? ラビちゃまの毛繕い」
「いいわ。気持ちいいから特別に許してあげる」
「ありがとうラビちゃま」
「しかし、変わった子ね。あたしのお家に入ってくるなんて」
「ラビちゃまといたいからだよ」
「何も出ないわよ」
「わかってる」
そして、私たちの奇妙な同居生活が始まった。
ちなみにご主人様は叫んでた。
「あぁ、ルー、またラビの檻に入ってる。ラビが好きなのかな。猫のくせにウサギと仲良しって聞いたことない」
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