第1章

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「ねぇ、お母さん」 「お母さんって呼ぶな、チビ。私にはラビって名前がある」 「じゃぁ、ラビ」 「呼び捨てすんな! あとから来たクセに」 「じゃぁ、ラビちゃま」 「とりあえず許す」 「あたちって、ここにいてもいいのかな」 「ご主人様が許してるんだから、いいんじゃないの? そもそもあんたご主人様に拾われてきたじゃない」 「うん。優しいご主人様でよかった」 「その点は否定しないわ」 言って、ラビは長い耳を垂れたまま、鼻をピクピクさせる。 「でも、あんたなんであたしと一緒にいるわけ?」 「だって、ラビちゃまあったかいし、優しいだもん」 「その点でも否定しないわ。わたし心広いから」 「うん。ありがとう」 「でも、あんたも変わってるわよ。わざわざこんな狭い所に入ってくるなんて」 「ラビちゃま、あたちの名前はルーだよ」 「ハイハイ、ルーね…ってあんた何してるの?」 「え? ラビちゃまの毛繕い」 「いいわ。気持ちいいから特別に許してあげる」 「ありがとうラビちゃま」 「しかし、変わった子ね。あたしのお家に入ってくるなんて」   「ラビちゃまといたいからだよ」 「何も出ないわよ」 「わかってる」 そして、私たちの奇妙な同居生活が始まった。 ちなみにご主人様は叫んでた。 「あぁ、ルー、またラビの檻に入ってる。ラビが好きなのかな。猫のくせにウサギと仲良しって聞いたことない」
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