第1章

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「あっ、美形の男子高校生サイコーだわ。」 「文庫本なんか読んじゃって。」 「何読んでるのかなあ。」 「あっ。」 「また目が合っちゃったよぉ。」 「ヤダ、ビックリして目逸らしちゃった。」 「すごい恥ずかしい。どうしよう。」 「ヤダもう。」 「アタシ、男子高校生にしか心トキめかないのかなあ。」 「……」 「犯罪じゃんそれって。」 「もう最悪。」 「……」 「ちっ。」 「てめえはこっち見てんじゃねえよ。」 「右にいるリーマン!」 「てめえだよリーマン!コラぁ!」 「そのイヤらしい視線に気づいてないとでも思ってんのかよ!」 「あーあと少しでも近づいてきたらガンとばして威嚇してやんのになあ。」 「毎朝毎朝ナメるよに見やがって金払えっつうの。」 「話かけでもしてきたそっこう大声だしてやんのにな。」 「『この人痴漢です!』ってね。」 「そしたらあの男子高校生が助けに来てくれたりしないかな?」 「なくはない。」 「そうなるとあのリーマンにはいっそ行動に出てもらいたいね。」 「でもアイツヘタレそうだしなあ。」 「絶対そんなことしてこないだろうな。」 「ああ。」 「どうして男ってみんあんな奴らばっかりなんだろ。」 「そりゃアタシの婚期も遅れますよ。」 「やべ、すげえ眠くなってきた。」 「あっ、次で降りなきゃ。」 「仕事したくねえ。」 「ああもう最悪。」 つづく
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