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「あっ、美形の男子高校生サイコーだわ。」
「文庫本なんか読んじゃって。」
「何読んでるのかなあ。」
「あっ。」
「また目が合っちゃったよぉ。」
「ヤダ、ビックリして目逸らしちゃった。」
「すごい恥ずかしい。どうしよう。」
「ヤダもう。」
「アタシ、男子高校生にしか心トキめかないのかなあ。」
「……」
「犯罪じゃんそれって。」
「もう最悪。」
「……」
「ちっ。」
「てめえはこっち見てんじゃねえよ。」
「右にいるリーマン!」
「てめえだよリーマン!コラぁ!」
「そのイヤらしい視線に気づいてないとでも思ってんのかよ!」
「あーあと少しでも近づいてきたらガンとばして威嚇してやんのになあ。」
「毎朝毎朝ナメるよに見やがって金払えっつうの。」
「話かけでもしてきたそっこう大声だしてやんのにな。」
「『この人痴漢です!』ってね。」
「そしたらあの男子高校生が助けに来てくれたりしないかな?」
「なくはない。」
「そうなるとあのリーマンにはいっそ行動に出てもらいたいね。」
「でもアイツヘタレそうだしなあ。」
「絶対そんなことしてこないだろうな。」
「ああ。」
「どうして男ってみんあんな奴らばっかりなんだろ。」
「そりゃアタシの婚期も遅れますよ。」
「やべ、すげえ眠くなってきた。」
「あっ、次で降りなきゃ。」
「仕事したくねえ。」
「ああもう最悪。」
つづく
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