第一章 魔王と勇者

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「勇者、魔王と酒盛りしてたんですか?」 「おぅ」 「ずるい」 と女拳闘士は叫んで、 「なら皆で飲むか」 の勇者の言葉に、皆頷いたのであった。 「つまみは?」 「コイツでいいだろぅ」 勇者が指し示したのは、先程、勇者が倒したレッドドラゴンである。 女拳闘士は「まっ、いいか」といいながら見事なナイフ捌きで、ドラゴンを解体してゆく。 その様を見ながら魔王は思った。 わたしは弱い! プレイヤーがその気になったら、すぐに勇者達一行に殺され、エンディングが流れるに違いない。 プレイヤーよもうしばらくやる気を起こさないで、おくれ。 魔王の願いはそれだった。
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