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そんな時、 「エリカちゃん、アザミのヘルプについて」 いきなりマネージャーに命じられた。 アザミとエリカの仲の悪さは、みんな知っている。 もちろんアザミの黒服であるマネージャーも、承知しているはずだ。 なのにそれでも、エリカをヘルプに指名するのには、きっと訳があるのだろう。 エリカは振り返って、アザミが接客についている席をうかがう。 今日のアザミの格好は、エルメスのスカーフを首に巻いた『キャビンアテンダント』。 客は、スーツ姿でファーストクラスを気取っている外国人だ。 「……これは」 エリカはなんとなく察する。 アニメキャラがわからない外国人の客の中にエリカを呼んで、 「笑いものにする気ね、あいつ」 エリカはキュッと唇を噛む。
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