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「猫、名前は……?」
「……トト」
「トト?」
私が首を傾げると、
私の鞄に下がってるマスコットを篠原さんは指さした。
……もしかして、これから?
このマスコットはお気に入りで、
同じのが学校用の鞄にもぶら下がってるから。
「トトにおやつ、あげてもいいですか?」
「……」
無言で篠原さんが頷く。
買ってきたおやつをあげると、トトは喜んで食べていた。
あの雨の日からは信じられないくらい元気で、
よかったなーって思う。
きっと、篠原さんも可愛がっているんだろうってことが
うかがえるし。
私がトトと遊んでいる間、篠原さんは終始無言だった。
けど、顔はなんだか優しそうに笑ってて。
無駄に私の胸をドキドキさせた。
「……電車?」
気が付いたらもう夕方になっていた。
トトと篠原さんが醸し出す空気はなんだか優しくて、
ずっといたいとか思ってしまう。
「はい」
「……駅まで送る」
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