第1章

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それだけいうとその人は、 もらった段ボールにいれた猫を連れて病院を出て行った。 待って、そう思ったけれどもう遅くて、 私が外に出たときにはもう姿は見えなくなってた。   ……その後。 その人とは一度も会ってない。 猫のことは気になるし、 なんで連絡先を聞かなかったんだろ、って思う。 動物病院で聞けばわかるかもしれなかったけど、 結局聞けなかった。 そんなこんなで半月くらいたったある日。 「……あ、すみま……」   コンビニでお茶を買おうとして、 同時に向こうから出てきた手とぶつかった。 あやまろうと私より身長の高いその人を見上げると、 この間の猫の人だった。 「……猫、元気」   やはり、この間のように言葉短くそういうと、 お茶を手にレジに向かう。 気が付いたときにはお店を出ようとしてて、 慌ててあとを追った。 「あの!」
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