第1章

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家の近所のケーキ屋さんでケーキと、 ペットショップで猫のおやつを買った。 電車に乗って学校の最寄り駅で降りる。 この間のコンビニは学校近く、だから。 コンビニに行くとすでに篠原さんは待っていた。 「すみません、お休みの日に」 「……」 小さく首を振ると、そのままお店を出る。 黙って歩く篠原さんの少し後ろをついて歩いた。 「今日はいいお天気ですね」 「……」 「家、近くなんですか?」 「……」 「会社は場所、違いますよね?」 「……」 「……」   なにを聞いても返事はない。 すぐに私も黙ってしまった。 ……いろいろ聞かれるの、迷惑なのかな。 「……どぞ」   篠原さんがカギを開けたのは、 三階建てのアパートの一室だった。 部屋の中を見渡すと、どうもひとり暮らしのようだ。 「にゃー」
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