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狂人が剣を振りかぶる。僕はその光景に耐えられず、思わず絶叫しながら左手を繰り出す。当然、そんなんじゃその剣を止められるはずもない。
それなのに一向に剣が振り下ろされない。恐る恐る、眼を開くと狂人は僕の左腕をじっと見つめていた。そこに紋章はない。僕が契約出来たのはレンファただ一人だから。
「--面白い」
狂人が呟くように言う。それと同時に僕を掴んでいた手を放した。思わず咳き込みながら森の中に駆け込む。その瞬間に左腕を切りつけられたが、無視した。その後は何故か狂人は追ってこなかった。
「--餓鬼、俺たちが憎いか?」
代わりにそんな声がかけられた。
「憎め、恨め、俺たちを。復讐に駆られろ。それを為せ。俺たちの前に立ちはだかれ」
そんな言葉を聞きながら決心する。こいつら狂人は、僕が殺す。絶対に、許さない。
--こいつらを屠る、復讐者になってやる。
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