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小春はふわっと笑顔になると、
大きな目をキラキラさせ話す。
「可愛い!凄く可愛い!」
「この制服が可愛いのはわかるよ?
そうじゃなくて…」
一応、貧乏的行動はとらないようにこの1年間気をつけて生活をしてきた。
飴を床に落とした時は手を震わせゴミ箱にすて、
お菓子の袋の底にまだ残る細かいカケラは見ないフリをした。
でも、いくら努力をしても、
貧乏な生活をしてきたあたしからは、
貧乏的オーラがにじみ出てそうで怖かった。
小春はその場に立ち上がると肩までのサラサラの髪の毛を耳に掛け、
体の周りを一周する。
そして、正面に止まるとあたしの両腕を掴み、
笑顔を見せた。
「似合ってるよ!本当、どこかのお嬢様みたい!
貧乏だなんて絶対に思わないよ!
それにさつきは顔も可愛いし、
しかも細くてスタイルいいから、なにを着ても似合う!」
「まぁ、お腹がいっぱいになるまでご飯食べた事ないからね。
それは太らないよね」
「なんか…ごめん」
「いいよいいよ!気にしないで!
それよりも安心したよ!
さすがにこの町の高校に入ってまで貧乏扱いされるのは嫌だからね」
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