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中3の夏休み、
親戚の家に来ていたあたし。
「ヤバい!まだ小虎が逃げ出した!」
それはそこの家で飼っている犬。
面倒に思いながらも犬を探しにそこら辺をウロウロしている時に、
あたしはあの豪邸を見つけた。
テニスができるくらい広い庭に、
まるで結婚式場のような真っ白な家。
一瞬にして夢の世界へと連れて行かれた。
呆然と立ち尽くし、
なにを考えていたのだろう。
「なんか用?」
突然声を掛けられ振り向くとそこには、
清潔感溢れる爽やかなベリーショートヘアの彼。
お金持ちそうには見えないTシャツとデニムという至ってラフな服装は、
似合っていたから別に問題はない。
ただ、少し細めの切れ長な目は、
真顔だとにらんでいるようにも見え、
ちょっとだけ緊張した。
「あ、そ、その…」
「なに?」
まるで愛想なく言葉を放った彼。
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