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うっ眩しい。
向こうから感じる強いオーラに空気が変わったように感じた。
廊下を歩く理人。
きちんと着こなした制服に、
綺麗に歩くその姿には気品を感じた。
「理人!」
大きな声で彼を呼ぶと廊下を走る。
目の前の理人は表情1つ変えずあたしを見ていた。
「なんだ?知り合いか?」
隣に居る男子生徒はどうでもいい。
一瞬、"うわっ!超イケメン!"って思ったけど、
どうでもいい。
「理人!あたしの事覚えてる?
ほら!犬!」
「ぬ、ぬ、ぬいぐるみ!」
隣の男子がしりとりに持ち込んできたけど、
それは無視。
理人は真顔のまま答えた。
「見た事ある顔……」
まだ思い出せない様子の理人に、
あの日の事を説明しようとするけれど、
隣の男子が邪魔をする。
「顔、お、お、オーブン!レンジ!」
本当はオーブンで決めようとしたよね?
慌ててレンジ付け加えたよね?
「実際会った事があるのはたしか」
なんだか棒読みで話す理人。
こんな話し方だっけ?
「か、か、会社!」
まだ続けるのかよ!
「やけに馴れ馴れしいヤツ」
「つ、つじつま!」
「また此処で会うとはな」
って!!しりとりやってたのかよ!!
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