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顔をひきつらせこっちを見る小春。
それはあたしも同じで。
「ねぇさつき……他にもう少しまともなところなかったの?」
「あはっ…あはは…さすがにタダで住めるところは……
でも!中はかなり掃除もしたし、
小物なんか置いたりして結構明るい雰囲気なんだって!」
玄関のドアを開けると、
恐る恐る中を覗く小春。
「おじゃま…しま~す」
「はい!どうぞ!」
ギシッ!
「キャッ!」
上がった瞬間きしむ廊下に驚く小春は、
すでに帰りたそうな顔をしている。
「大丈夫!お化けじゃないから!」
それからも小春は、
所々フカフカする畳に驚き、
異様に傾いている天井に恐怖し、
中々開ける事の出来ないふすまにため息を漏らした。
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