Reverie

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僕はすこぶる体調が悪い時、決まって同じ夢を見る。 名も知れないローズピンクの花が咲き乱れる庭から始まり、視線は、その周りを舞う一羽の蝶にとまる。 蝶はひらひらと花の周りを不規則に漂っていた。 一見すると花びらのように見えるのだが、それを透き通る様なエメラルドブルーが否定していた。 芝の青々とした色。 目の眩むような日の光。 夏の庭だ。 でも水を撒いた後のように清々しい。 自然と蝶を目で追うと、花の植え込みのその先に、一人の少年が立っているのに気がつく。 いつの間にか蝶はどこかへ飛んでいってしまったようで、庭には穏やかな静寂が訪れた。 僕たちはただその場に立って、 互いに見つめ合う。 だけれどその少年の顔は、 綺麗に切り取ったように見えない。 必死に目を凝らすけれど、やはりどうしても見ることが出来ないのだ。 日が惜しげも無く降り注ぐ庭は、僕たちを明るく照らしていた。
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