序章

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一人の少女が、夜の公園で満月を見ていた。 その光景は何かが歪で。 そう、どこかの映画の一場面を切り取ったように見える。 それは、少女の美貌がとても人間に見えない、まるで人形だというのも理由の一つの理由だろう。 だが、一番の理由は少女が身に纏う危なげな雰因気なのかもしれない。 まるで、儚くこのまま飛んで消え去る羽毛のようだ。 それは、少女の浮かぶ笑みがより一層に、そういう風に見えるかもしれない。 どこかを愛しげに見てるその顔は、穢れを全て落としてこのまま天国に行くようにも見える。 この少女を普段知っている人が見れば、驚くのかもしれない。 何故なら、普段の少女は明るく能天気な人なのだから――。
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